人は幸せになるために生きている。

 仕事はそのための手段だ。

 でもそれを忘れて、仕事で成功することだけが自分を幸せにすると勘違いしてしまう。

 仕事を干されたら、もう生きていけないと絶望する。

 かつての自分がそうだった。

 例えば、美味しい料理を作って誰かに喜んでもらうのが自分の生きる目的だったとする。

 それなのに一生懸命、包丁を研ぐことに命をかけている。

 それも大事だけど、それだけじゃない。

 いつの間にか包丁を研ぐことが一番大事なことになっている。

 いつまで経っても料理は作り方は上手くならない。

 手段と目的をごっちゃにしてはいけないという話。

 20年間ずっと、うまく包丁を研ぐことに気を取られて、料理を作って誰かに喜んでもらうという目標を見失って

いた。